猟師が山に木を植える理由|鹿と森の意外な関係

更新日:6月30日

こんにちは。
先日Instagramでも少し触れましたが、丹沢で活動されている猟師さんのお話を聞きに行ってきました。
その方は、長年にわたり丹沢の山に入り続けている猟師さんでした。
昔は夜の丹沢湖を周遊すると、鹿が何十頭も見られたそうです。
でも今は、ほとんど姿を見なくなった。
「鹿が増えすぎている」
そんな言葉を耳にすることもあるけど、地域によって状況はまったく違うんだと改めて感じました。
特に印象的だったのは、
“山そのものが弱っている”
というお話でした。
数年前、その猟師さんが訪れたとある山には、クルミの木が植えられていて、地面には落ち葉がふかふかに積もっていたそうです。
光が入り
風が抜け
土がやわらかい。
「本来の山って、こういう姿なんだ」
そう強く感じたそうです。
一方で、杉やヒノキばかりの人工林は、地面が固く、光も入らず、下草も育たない。
猟師さんたちは、そんな山を“クロッキ”と呼ぶそうです。

動物たちが減っている背景には、こうした山の環境変化も大きく関係しているのではないか。
そんな危機感から、その猟師さんは植樹活動を始めました。
最初は仲間内で小さく始めた活動でしたが、Instagramで呼びかけると、80人もの人が集まったとのこと。
「獲る側の猟師が、なぜ木を植えるのか?」
その意外性もあって、多くの人の共感を呼んだそうです。
話を聞いていると、猟をすることと、山を守ることは、切っても切れないものと感じました。
命をいただくからこそ、命が暮らせる山を残したい。
その言葉がとても印象に残りました。
そして活動を続ける中で、猟師さんたちの伝え方も変わっていったそうです。
最初は「動物を守る」という想いが中心だったそうですが、昨年丹沢湖で大きな渇水が起きました。
湖の貯水率は30%まで低下。
その時、山の問題は動物だけの話ではないと強く感じたそうです。
山が水を蓄えられなくなることは、私たちの生活用水にも関わる。
実際に、横浜や川崎など多くの地域が丹沢の水に支えられているそうです。
だから今は、「動物を守ろう」ではなく
「水を守るために山を育てよう」
そう伝えるようになったと話されていました。
確かに、水は誰にとっても必要なものです。
動物問題にはいろんな意見がありますが、“水”となると、みんなが当事者になります。
その着眼点に感動。
現在は山北町とも連携しながら、クヌギや栗、桃、柿などを植えてるそうです。
しかも苗木の多くは購入ではなく、全国から送られてきたどんぐりや種から育てているとのこと。

去年植えた柿の種は、1万本以上の苗になる予定だそうです。
遺伝子の問題など、批判的な意見があるのも事実だと思います。
それでも今は、それ以上に山そのものが深刻な状態にあるのだと感じました。
ただ、活動には大きな課題もあります。
それは「植える場所」の確保。
山には所有者不明の土地も多く、自由に手を入れられる場所はなかなか少ないそうです。
それでも少しずつ、行政や地域と協力しながら、未来の山づくりを続けているそうです。
普段、私たちは「害獣」や「駆除」という言葉を耳にすることが多いですが、その背景には、山そのものが抱えている問題がある。
動物だけを守ればいいわけでもなく、ただ駆除をすれば解決するわけでもない。
山が健康でなければ、水も、生きものも、人の暮らしも、少しずつバランスを崩していってしまうのかもしれません。
だからこそ、山に木を植えるという行為は、未来の動物たちのためだけではなく、未来の私たち自身の暮らしを守ることにも繋がっていると感じました。
山は、すぐには変わりません。
10年後、20年後、もっと先の未来を見据えながら続けていく。
その小さな積み重ねが豊かな森となり、水となり、生きものたちの居場所になっていく。
今回のお話を聞いて、自然を守るということは、“何かひとつだけ”を守ることではないとあらためて感じました。
動物のこと。
水のこと。
山のこと。
そして、そこで暮らす人のこと。
全部が繋がっているからこそ、もっと山のことを知り、考え続けていかなければいけない。
そんなことを、強く感じる時間になりました。
お話を聞いた後は苗を植えている場所を視察に行きました。
そこには小さな木の赤ちゃんがたくさん芽吹いていました。
周りには鹿の糞や周りの木を食べた跡がありました。
赤ちゃん苗にはしっかり電気柵がしてありました。
今食べちゃダメなのよ!
大きくして山に植えるから!
そしたら沢山食べられるから!
少しばかり待ってねー🦌🐻🐗
と言う優しい気持ちの電気柵でした😊
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