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恵の雨

  • 執筆者の写真: Azumin
    Azumin
  • 9月15日
  • 読了時間: 4分
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このブログには狩猟で得られた鹿の写真が含まれています。


苦手な方は閲覧をお控えください。


夏の間、全国的に雨が降らず(降っても線状降水帯など異常な降り方ですね…)


6月の梅雨時期にはあれ程いたヒルも姿を見せない日々が続いていました。


動物たちも暑さから逃げるように、山の奥の木陰にいるのか、見回りに行っても下りてきている気配が少なくなっていた夏でした。


梅雨時期に雨がしとしと降ってくれるから、山にはゆったりたっぷり水が染み込み、それが川となり、私たちの暮らしを豊かにしてくれてたことがいかに大事な事だったかを気付かせてくれた夏でもありましたね😭


毎年わんこを川で思いっきり遊ばせてあげたり、私や子ども達が潜ったり飛び込んだりしていた馴染みの川はどこもかしこも年々水位が下がり、藻が生え、8月の終わりには入るのを躊躇うような川になってしまいました。


(お盆すぎると、マナーの悪い方達がBBQや飲み食いしたゴミが河原に散在して本当にがっかりです。


犬達も拾い食いしちゃってお腹を壊すし、川が臭くなるし。


みんなで気持ちよく楽しめる川は、勝手に綺麗になるわけじゃないんだよ、と強く伝えたい…怒)


それでも季節は過ぎ、台風後から秋の風を運んできてくれましたね。


雨が降り、植物も明らかに嬉しそうに瑞々しく水滴を纏い、煌めいている姿にホッとする9月。


秋の実りの栗も落ち始め、早速イノシシが食べにきている跡が。


師匠の猟師さんが「そろそろくるか」と呟いたその週に、ようやく私が居合わせるタイミングで子鹿がかかっていました。


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24、5kgくらいの生後3、4ヶ月かと思われるメスジカ。


可愛くて綺麗な顔立ちの子でした。


止め刺しの現場に居合わせたことは数回ありましたが…


その時は突然やってくるのだから、猟師さんというのは本当にすごい。


まだまだ止め刺しの現場に慣れない私でしたが、最期まで彼女のそばで一生懸命に血を抜き、感謝を伝え涙することに全てを注ぎました。


絶対に美味しく頂くよ。


ありがとう。


ありがとう。


ありがとう。



私はこの数日前、愛犬ももじの散歩中に羽を怪我したキジバトを保護していた。


町田の野生動物保護センターさんにも相談してみたが、怪我の状態から治すには難しいと言うことでした。


その子は、飛べないなりに、


人間の空間に居たくない!


自然へ帰りたい!


と、その態度で強く訴えていました。


結局、車には轢かれる心配はない近所の雑木林の中へ返してやりました。


自然の命に手を出すことは私の中では基本的にはしない方ががいいという考え方ですが、実際目にすると…


治る見込みがあるのなら回復するまで面倒みようか…と悩んだ今回。


(野生鳥獣それぞれの地域や状況によって異なってくるかとは思いますが、あくまで私の考えです)


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私は野外保育園のスタッフとしても働いてますが、そこで子ども達が生き物に出会い、バッタや蝶やトカゲなんかが子どもたちの手の中で死んでしまうことも大いにある毎日です。


シカも


ハトも


虫やトカゲも


みな同じ命


人間も同じ


その中で私の心は大いに揺さぶられる。


命の差なんてないのに、現実には差があるような瞬間が沢山ある。


これから猟師になりたい私がこんな事を思っていいのかな、本当になれるのかな、と。


もののけ姫のシシ神のように


生かすも殺すもできる人間というのは


なんだか烏滸(おこ)がましい。


それでも、人と野生動物、虫や爬虫類。


その場面場面に、お互いの距離があり、役割があり、学びがある。


決して人間だけの世界でこの地球が回っているのではなくて、沢山の命の中の一つに人間もいる、ということを考え行動していく人でありたいと思う。


それを小さな人たちに伝え、考えてもらえるきっかけをつくれるのも大事な大人の役割なのだと思う。


殺すことに慣れるなんて無い。


絶対に。


その瞬間は、やるか、やられるかという生き物同士の駆け引きなのだと、居合わせてわかる緊張感がある。


私が罠猟にこだわるのは、あくまで人間と野生動物の距離をたもつため。


相手の完全な土俵に上がって(山の中)猟をしようとは今の所思わない。


ZoooMIESで命と向き合い、さらにその先を生み出していける今。


まだまだ甘ちゃんで考えも行動も足りない私だけども。


未来に一手投じれる、そんな繋がりをイベントで会う方、購入してくださる方と繋がっていけることを願っています。


こんな葛藤を抱えながら、前に進んでいくZoooMIESを応援してもらえたら嬉しいです。

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